第二十四章~調査対アクバル~

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 今回向かう自由貿易連合は5つの経済地区の中で経済規模で3つの階級と発言権を与えることにより、価格競争を促す仕組みになっている。  連合内の行き来は基本自由、軍隊は各国が持つ都市自警軍の他、連合国共有の防衛軍も保有している。 「EUっぽいところがあるな」 「EU?」 「あぁ、元の世界にあった組織のことだ。あまり関係ないから気にしなくていい。  それで、こんな話をするってことはなにかしら障害があるんだな」 「障害って程じゃあないんだけど、一応知ってもらいたいことがあって。  あそこは行き来が自由な分、最初の入国自体はとんでもなく調べ尽くされるんだよ。しかも、あそこは情報共有に特化した魔術をほどこした石板を各国に置いているためにそのその身体的特徴がすぐさま伝達される」 「アユの力を使えばよくね?」 「まぁぶっちゃけそうなんだよ。ただ、渡される金属板に書かれた数字がその人の身分を示すものだから気を付けてってこと」 「わかった。それじゃあいくか」  ボクとトモマサは今回初めに入国するゲトロストの検問の列に並んだ。
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