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アクバルはぶらぶらと朝の市を散策して、買い物や買い食いしていた。次第に人が多くなり観察がしづらくなった時、アクバルを見失った。
しばらくして角を曲がるところを見つけた。
「よし、そこだな」
トモマサが先行する。ボクもそのあとを追った。
曲がった先は少し狭い脇道だった。先に進むと真ん中に木の植えられている公園に出た。しかし、アクバルの姿が見えない。
「しまった」
自分たちが誘い出されたことに気づいた時には縦横無尽に鎖が囲っていた。
グレンゼン ディア ケッテ……、アクバルの編み出した上級魔法。ということは嵌められたということか。
それに気づけなかったことに舌打ちをこぼしてしまった。
「さて、あなたたちは何者なの? 私のことを尾行して何が目的なのかしら?」
木の後ろからアクバルが現れた。さすがっというべきか、それともボクらが彼女を舐めすぎたからなのか。こうなってしまったらどうにかしてここから抜け出す手段を考えなければ。
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