第二十四章~調査対アクバル~

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 移転しようにもこの鎖が魔力封じの魔方陣を描いてる。ボクが魔糸で1度か2度やったことを取り入れたみたい。アユの力は魔力とは関係のないものだったから変装は解かれなくて助かった。しかし、このままでは埒が明かない。最悪、協会で拷問を受けられる可能性もある。 「あぁ、私はこの本を落とすのに競り合った相手がどんな人なのか気になって、失礼ながら尾行していました」 「あぁ、あなたオークションでの。でも、なんでそんなことを気にするの?」 「あなたはこの本について詳しかった。となれば、有意義な意見交換も可能なのではっと。なにぶん、周りの家族友人は陣魔法についてあまり見解が深くなく、身勝手ながら同類を見つけたような気がしまして」 「ふーん……。あなた名前は?」 「アーシャ ケスラーです。こっちの男性はアーロン ケトワーズです」 「一応、身分証板見せてもらえる」 「どうぞどうぞ」  身分証版を見せてやっと納得したのかアクバルは魔法を解いた。しかし、疑いの目は向けられたままだ。  これは顔を覚えられたな。これ以上ボクたちはアクバルの周辺に行かないほうがいいかもしれない。  さっきよりも微かに左肩が下がっている。アクバルは右利きで武器は左側に携帯する。たぶん、左胸ポケットに投げナイフないし、小型の投擲武器があるのだろう。
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