第二十四章~調査対アクバル~

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 拠点に戻ってやっとひと段落した。   じゃらら…… 「じゃらら?」  今この場で非常に聞きたくない音が聞こえてきた。音のする方をみるとトモマサの右手首を見るとしっかりと鎖が巻き付いていた。 「これは……報知魔法」  金属性ならではの魔法で、擦れて出た音を術者に伝えることで対象の居場所を知らせる魔法。 「……」  一瞬、二人の間に重たい沈黙が流れる。しかし、部屋に仕掛けていた魔法感知の魔方陣が反応を示したのでボクたちは何も持たずにすぐさまその場から移転した。  移転先はこの町の検問近く。身分証版を見せ足早に出た。  それからすぐに獣道に入り再び移転を行った。  とんだ先は霧が深い峡谷、A級指定森林チャングファグ・キャニョン。  常に霧が出ており、その霧は魔流を乱す効果があるため魔法が使いづらいところ。そのため、ここに移転で来れても帰ることは難しい。それがここだ。  ここでならこの鎖も効果を発揮できない。
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