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女子高生の真後ろで止まったので、恐る恐る振り返ると、霧の向こうに人影が見えた。髪が腰まで長く、杖をついているように見える。そして右手の辺りは何か光るものが見えた。そして、
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と、すごく風が吹き荒れて顔を覆うと、その人影は何か話始めた。
「我は石川幻慈。末代までの恨み晴らしたく思う。さぁ~答えよ。そなたの名前は? どこの一門だ? どこの血筋の人間だ? 」
「え・・・分からないです・・・」
「自分の血筋も分かると申すか、先祖に対する冒涜である」
そう言いながら刃物を振りかざし、振り下ろされた。
「いやぁ! 」
そう叫んでいるのは女子生徒だけではなく、恋美もであった。
「うるさぁ」
徳代はそう言いながら、恋美側の耳を押さえていた。
「次の日朝、その女子高生は起きてこなかった。不信に思った母親は、彼女を起こそうとすると息をしていなかったという」
時子はそう話して、ビクビクと震えている恋美を見ると、
「落ち武者が襲ってくるぞぉ! 」
「キャー 」
時子が恋美にそう叫ぶと、ビックリした恋美は瑠梨に抱きついた。
「ちょっとマジうるさぁ」
時子の声よりも恋美の悲鳴の方が大きい為、徳代は耳を塞いだ。
「その落ち武者って姿が見えないの? 」
「さぁ~」
徳代がそう聞くも時子は知らないので両手を上にして外人のリアクションのように知らないという行動をした。
「でもね、この話をしてしまったら、石川幻慈さんを怒らしてしまったかもしれない。だから私たちは今日寝たら、石川幻慈さんに襲われる」
「うそ!! いやぁーーーー 」
またも恋美が叫ぶため、さすがにイラッとした徳代は、
「だから、マジうるせぇーって! 」
そう怒りだした。
「ごめん・・・」
恋美がしよしよと謝っていると、時子は話を続けた。
「でも助かる方法がある」
「本当に、どうやるの? 」
恋美は信じている為、必死である。
「石川幻慈さんの許しを得るしかない」
「どうやって!?」
時子は許しを得るしかないと言うが、石川幻慈さんがどこにいるかも分からないので、恋美は必死になって聞くと、時子は真っ黒なコーラを飲んで机に置くと、炭酸がシューと音を立てて泡になっていた。
「みんなであの世にいる石川幻慈さんに会いに行く」
いきなり何を言いだすかと思えば、あの世に行く・・・
「そんな事できるわけないじゃん! 」
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