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「え~! 怖いよぉ~」
恋美が怯えているが、時子と徳代と瑠梨はそれを無視して、念仏を唱えた。
「石川幻慈さん成仏してください! 石川幻慈さん成仏してください! 」
そう唱えると時子が倒れたので、徳代と瑠梨はそれに合わせて倒れて意識を失ったフリをした。だけれど恋美だけはそうならないから焦り始めた。
「うそ! ねえ時子! ねえ徳代! ねえ瑠梨! 」
そう言って必死で揺さぶるが、3人も我慢した。
「うそぉ! やめてよぉ~私だけぇ~うわぁ~ん! 」
それから諦めてシクシクと泣いている恋美を時子が少しだけ目を開けて見て、クスっと笑っていた。それから2分ぐらいしたところで時子は目を覚ますフリをした。
「うん? 」
「あー時子! 」
恋美は泣きながら、気が付いた時子に必死に声をかけた。
「恋美、先に戻ってたの? 徳代! 瑠梨! 」
時子が起こすと、徳代と瑠梨も気が付いたフリをした。
「ううう・・あれ・・・戻ってこれた・・・」
そこで瑠梨も起き上がった。
「みんな、許してもらえた? 」
「うん」
「許してもらえたよ」
「ねえ! ねぇ! 」
徳代と瑠梨はそう答えているが、恋美はそうではないので時子の肩をゆすっていた。
「そっかよかった。何? 恋美」
時子は肩を揺さぶる恋美をうっとしそうに見た。
「違うのぉ~私行けなくてぇ! どうしよう!! 」
「マジ!? 」
「ええ! あの世に行けなかったの? 」
恋美が必死に訴えるのを、時子と徳代は重大そうに答えた。もちろん演技ではあるが。
「ちゃんと呪文唱えた? 」
「唱えたよぉ! でも行けなくて・・・」
時子がそう聞くと、恋美は必死で訴えていた。
「ヤバいわぁ~今夜襲われるわぁ~」
その為時子はもっと恋美を脅すことを言った。その時徳代は笑いそうになった為、またも顔を恋美からそらしていた。
「えええ! どうしようどうしよう~! 」
恋美はえんえんと泣いて瑠梨に抱きついていた。その為瑠梨はいたたまれなくなってきていた。
「大丈夫だよ恋美」
瑠梨は恋美の頭をなぜていたが、時子と徳代は見つめ合って声を殺して笑っていた。
瑠梨はもうやめようと時子と徳代を見て首を振っていたので、時子は恋美を見つめて恋美に声をかけた。
「じゃあしょうがないなぁ~もう1回やろう」
「本当にぃ! 」
時子がそう言ってくれたので、恋美は瑠梨から離れて時子を見た。
「みんなも付き合ってくれる? 」
「うん・・・」
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