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瑠梨はもうネタバラシしたかったが、時子がまだ続けるのでもう少しだけ話に乗った。
「恋美。ちゃんと大きな声で唱えないとダメだよ。そうしないと行けないよ」
「うん分かった」
時子はまだ意地悪である。そんな事を言って徳代と目を合わせていた。
「じゃあ行くよ」
「石川幻慈さん成仏してください! 」
恋美はすごい大きな声で言ってるので、時子と徳代は我慢できずにちょっと笑ってしまった。でも恋美は必死だった為、気づいていないようだ。
「石川幻慈さん成仏してください! 」
それを言った後、時子と徳代と瑠梨はまたその場に倒れて意識を失ったフリをしたが、当たり前なのだが、恋美だけはやっぱりそうならない。その為、
「うわああああ! どうしよう! 時子! 時子! 石川幻慈さんつれってください! お願いします! 」
「ブハハハハハハ」
そうやって泣きながら必死に言っているので、時子と徳代は我慢できずに大笑いした。
「え・・・」
その為、さすがになんか変だと恋美は気が付いた。
「ごめん恋美」
瑠梨は恋美を騙していたので普通に謝ったが、時子と徳代は恋美をバカにするように言い始めた。
「そんなわけないでしょ~う」
「あの世に行けるわけないじゃん」
時子と徳代がそんな事を言っているので、恋美は呆気にとられていた。
「みんな演技なの」
瑠梨がそう説明したので、やっと分かった恋美は怒りだした。
「うそぉ! ひどいよひどいよひどいよ! 」
「超ウケるんですけど」
「石川幻慈さん成仏してください! って、超大きな声で言って。ハハハハハ」
時子と徳代は凄く笑っていた。
「時子! 時子! 石川幻慈さんつれってください! お願いします! とか言ってんのぉ。ブハハハハハハ」
時子と徳代はこれでもかというぐらい恋美をバカにするから、恋美はいつもように口を膨らまして、肩をすぼめて悔しがっていた。
「もうひどい! 」
恋美は涙がちょちょぎれていた。
「もうやめてあげてぇ~時子も徳代も」
瑠梨がそう止めるが、時子と徳代はというと、
「ハハハハ、てか恋美何回目? そろそろドッキリされてるって分かれよぉ~」
「超泣いているし。ウケる! ハハハハハ」
そういつもいつも、何回も恋美は時子と徳代にドッキリを仕掛けされているのだが、全部騙されるのだ。普通ならそろそろ気付くが、恋美は毎回騙されるのだ。
「もうみんな嫌い! 」
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