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時子はそう恋美に言うも、恋美はビクビクしていた。
「瑠梨、一緒の布団で寝よう」
「えっ! 狭いよ」
「お願い! 怖いもん」
恋美が必死で訴えるので、恋美の枕を瑠梨の横に置いた。
「ヤッタぁ! 」
そう言いながら4人は布団に入った。恋美は瑠梨に抱きつこうとするので瑠梨は、
「もう近い! 」
そう嫌がっていた。
「てか恋美さぁ~、いつになったらドッキリって分かるんだよ」
「マジ、1日に5回ぐらいかけても全部引っかかるもんね」
「そうそう」
時子と徳代がそう言うと、恋美はまた口を膨らましていた。
「もう嫌い! 」
「てっ、嘘じゃないじゃん! 」
恋美は霧のかかった森にいた。時子が話していた森である。前の木には『立ち止まるべからず』と書かれていた。
「夢なのかなぁ~、でも本当にあの世に来てたらどうしよう! 私だけ行けなかったら、石川幻慈さん怒っているのかなぁ! うわぁぁぁぁぁぁぁ! 」
と恋美が暴れていると、
「うわぁーん」
と、犬の遠吠えが聞こえてきた。
「うわぁ! 瑠梨! 」
恋美はビックリしてうずくまった。でも瑠梨はいないので誰も助けてくれない。その時何かがこちらに近づいてくる気配がして、風が吹き荒れだした。
「えええ! 」
恋美は怖くて前の木に書かれている文字、『立ち止まるべからず』という言葉を見て、恋美は足早に歩き始めようとした。その時、時子の言葉が頭にうかんだ。
『そこから右に行って5本目の木を左行く』
恋美はその言葉に従い足早に歩いて行った。
「4、5! ここで左」
恋美は5本目の木を左にまがり進むと、今度は穴の開いた木を左に進んだ。そして3本目の木を右に行くと、ザクザクという音が聞こえ始めるとキコリが木を切っていた。
「ご苦労様です」
「・・・・」
恋美が声をかけるもキコリは無視して木を切り続けていた。恋美は首をかしげて、まぁ~いいかと思いながらキコリを右にまがり歩いて行った。
「次はカラスの鳴き声が聞こえたら右だったよね」
恋美が進む道は今までになく不気味である。森と霧ではっきりいってどこを見ても変わらない場所で本当に前に進んでいるかも怪しいぐらいだ。その為、真っ直ぐ進むのにも長く感じる。もしかしてカラスは鳴いたのだろうかとも思って来た。もしそうなら迷ってしまう。そんな事をビクビクしながら考えていると、
「カーカー」
「うわぁぁぁぁぁぁぁ」
バタバタバタ
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