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瑠梨がそう言って時子と徳代をたしなめた。
「もう、時子嫌い! 」
「うるせぇ! 」
恋美がプイとすると、時子は笑いながらそう話していると、
「源平合戦するな」
瑠梨はそんな事を言ってツッコんでいた。
「あっ、それで明日の夜泊りに来るよね。家族みんな京都のおばあちゃんの家に行っていないからさぁ~」
「うん行く行く」
明日の土曜日の夜、泊りに行く約束を前からしていたのである。
都内某所にある住宅地にある1軒の家にパトカーが数台止まっていた。その現場では、女子高校生が4人程変死体となって発見されていた。
「またですね平川警部」
たくさんの警察が現場検証していて、大森が40ぐらいの男性である平川警部にそう話していた。平川もクールビズのサラリーマンみたいな格好していた。
「これで16件目か、大森君」
「はい」
2人は現場を見ていると、警察官が話しかけた。
「すべて鑑識の方に回しました」
「ご苦労」
「はい」
その警察ぽい服装をしているのは明らかに40過ぎているが、30ぐらいの大森に敬語で話し、大森はため口だった。要するにキャリア組なのだが、この2人は警視庁捜査1課の人間である。
「落武者に襲われたんだ」
そう言いながら入ってくるのは橘である。すごく短くなったタバコを加えながら現場に入って来た。それを大森が見ると、
「何でここにいるんですか? 橘さんは2課に異動になったじゃないですか」
その橘はタバコを現場の流し台に投げ入れて、もう1本タバコを取りだした。
「何やってるんですかぁ! 橘さん、ここは現場なんですからタバコを捨てないでください」
橘はライターを付けようとするがなかなかつかず、何度も何度もつけようとしてようやくつくと、ぷかぁ~と吸って煙を吐いた後話し出した。
「大森、それで死因はなんなんだ? 」
「ええ~。そ・・それは今鑑識に回しているところですから」
「違う、この前の女子高校生の死因だ? 」
「それは・・・まだ・・・って、関係ないじゃないですかぁ! もう橘さんはこの事件から外れたんですから! 」
橘はタバコをまたぷかぁ~と吸って、その煙を大森にかけたので、大森はうっとしいという感じで煙を手で払いのけて、咳き込んだ。
「ゴホンゴホン。もう帰って下さい。2課は来るところじゃないんですから」
大森がそう言っている横で、橘は中腰になって死体のあった場所を見つめながら話した。
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