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ここは警察の施設だが刑務所とはまた違う。窓には格子が設けられ、窓は曇りガラスとなっていて外からも中からも見えない。そうここは精神科が隣接した刑務所なのである。
この女子高校生は足利涼子、高校2年生である。そう冒頭の女子高生だ。彼女の前には平川と大森がいて事情聴取をしていた。
「あなたはあの日、織田由美さんの家で何をしていたのですか? 」
大森が聞くと涼子は答えだした。
「みんなでお泊り会をしようとしてて、由実が石川幻慈さんの話をしだすからそれで・・・」
涼子はそこまで話すと止まり、眼光を開いて大森の右後ろの辺りを見ていた。
「うん? どうしました足利さん?・・・聞いていますか? 」
いきなり涼子の行動が止まったので、大森は手で涼子の目の前で手を振った。
「うわぁぁぁぁぁぁぁ! 」
ガチャーン
涼子がいきなり叫び出し立ち上がったので、その勢いで椅子が倒れた。その後うずくまり、
「私は足利です。私は足利です。私は足利です。私は足利です。私は足利です」
と、何度も自分の名前を叫んでいた。
「大丈夫ですか足利さん」
大森はうずくまる涼子に近づいて気遣うと、白衣を着た女性が部屋に入って来て涼子を連れて行った。
ガチャン
扉が閉まると、先程までの念仏のような涼子の叫びが止まり静かになった。
「いきなりどうしたのでしょうねぇ~? 」
大森が平川を見て話すと平川はポツリと話した。
「石川幻慈さんか~」
「そんなのただの都市伝説ですよ! 」
大森はオカルトな話を完全に否定していた。
小雨が降りやまない風が吹き荒れる深夜0時。時子の家では恋美と瑠梨と徳代と時子で、15帖ぐらいあるリビングでジュースやお菓子を食べながらガールズトークに花を咲かせていた。
「で、相田先輩とはどうなったの徳代。今日、サッカー部試合だったでしょう。」
時子は横に座っている徳代にそんな話を聞いていた。
「チョーかっこよかったよ。シュート決めてベンチの前を走った時、私にガッツポーズしてくれたし・・」
とお惚気で話していたので、時子と恋美と瑠璃は、
「ヒューヒュー! 」
と冷やかした。
「やめてよぉ~」
徳代は手を振りながら一応止めるも、ニタニタしながら全員を見渡しながら続けた。
「それでタオル渡したとき、伊達の喜ぶ顔が見れて嬉しかったよって言われて! 」
徳代は顎の下で手を組みながら幸せそうに話していた。ちなみに徳代は伊達徳代という。
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