4人が本棚に入れています
本棚に追加
彰彦:あの歩く18禁ってか?
涼介:歩く……18禁? 誰のことだ?
彰彦:あぁ~、何つったか? 名前と髪が長ぇやついんだろ?
涼介:もしかして……彰彦もダルレシアンに言われたとか?
彰彦:聖霊寮で大声で聞きやがったぜ、てめぇとするかってよ。
涼介:…………。
(昼間、崇剛と一緒について行ったと思ったら……)
彰彦:あいつ、どこにいやがる?
涼介:寝てる。疲れてるんだろう。13年間も牢屋の中で、拷問も受けてたみたいだからな。すぐに、よくならないだろう。
彰彦:そうか。そんだけのことされて……。あんだけ明るく生きられるっつうのは、ストロング過ぎだろ。
しばらく、涼介と彰彦はダルレシアンの過去を考えて沈黙する。
彰彦:涼介、崇剛とオレで、3人ですっか?
涼介:待った! 彰彦も酔っ払ってるだろ。意味のわからない3Pに勝手にするな、そこで。
彰彦:やっと気づきやがったか。バーは酔っ払いに行くとこだ。
涼介:さっきから、話し方がおかしいと思ったら……。崇剛といい、彰彦といい、俺で遊ぶな!
彰彦:襲ってやっか、今からよ、崇剛を。
涼介:冗談にならないから、やめろ!
彰彦:20代のサルみてぇなガキ、てめぇやダルレシアンと一緒にすんじゃねぇ。分別はあるつうの。
崇剛:…………。
(おかしな人たちですね、あなたたちは。
瞬にはとてもではありませんが、聞かせられない会話です)
彰彦:崇剛、拐ってくぜ。
涼介:だから! 冗談にならないから、やめろ! お姫様を連れてくみたいな言い方をするな。
彰彦:ジョークだ。オレの部屋は?
(真に受けやがって。
涼介、からかい甲斐あんな)
涼介:崇剛の寝室から2つ手前だ。服を脱がすとか、余計なことをするなよ。
彰彦:じゃあ、明日、7時半にはここ出るからよ。起こしやがれ。
涼介:俺はお前の執事じゃない! 何で、彰彦の面倒まで俺が見るんだ!
彰彦は崇剛をお姫様抱っこしたまま、階段を登る。
涼介:窮地に陥ったお姫様を、ナイトが助けたみたいに見えるのは気のせいか?
こうして、仕事上という割り切った関係の30代同士の崇剛と彰彦の間に、不思議で真新しい日々が始まる。
最初のコメントを投稿しよう!