ペンの魔法は

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 私の妻になったなら思いついた分でいい、ときどきホラを吹いてください。  私は落ち込みやすいからあなたの素敵なお話が他の誰より必要です。  私があなたの翼になってどこへなりともお連れします。  きっとしっかり働いて世界で一番幸せな物書き娘に致しましょう。  魔法の紙の青年が私にその手を差し伸べる。  胸に巣食った私の恐れが風に吹かれる砂のようにさらさら身体を去っていく。  商家の家は裕福で、しかし子息は道楽者。部屋に何かと籠っては、千の話を読みふける。  笑って泣いて、勇気を貰い、物書き娘を見つけ出す。  こうして魔法の紙と魔法のペンは、ひとつの夫婦を作ったそうだ。
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