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3話【転機は突然に?】
「よう!やっと起きてきたか少年!昨日はすまなかったな。」
朝起きてすぐ下に降りると既にヒルデガルデ達が待ち構えていた。
ヒルデガルデも素の凛々しい感じに戻っていた。
昨日は色々あって周りを気にする余裕が無く気付かずにいたが、やはりブラッディウルフ海賊団の貫禄は桁外れに凄かった。
明らかに皆が向ける視線も違い、その場所だけが違う空間になっている事が肌でも感じられた。
シルフィードに席に着くよう指示された俺はヒルデガルデ達が囲む丸テーブルの輪の中に腰かけた。
「昨日私が言った発言について早朝から皆と会議したんだが‥、現時点で加入させるのは難しいという事になった。」
なんだ。やっぱり‥な。最弱の俺が入れる訳がない。
しかし断ろうとしていたから好都合でもある。けど残念な気持ちもある。
本当に俺は矛盾した人間だな。と情け無い気持ちになっていると急にヒルデガルデが俺の間近に顔を寄せた。
急な行動に動揺した表情を俺は見せる。
「え?」
「なので少年を鍛える事に皆の意見が一致した。」
「は?‥!!?はいぃ!?」
いきなりの展開で頭の回転が追いつかない。つまり返す言葉が思いつかない。
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