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「え! 友里、あのモニター当たったの?」
「うん……」
その日の夜、友里は高校時代からの親友、西銘わか子のマンションにいた。バリキャリの弁護士である彼女の部屋はいつ来ても整っている。
「マジか、やっぱり本当だったんだ。周りになった人いないからさ、都市伝説だと思ってたわ」
「ていうか、当の本人が一番ビックリしてるんだってば」
「あはは、まあそうだよね」
説明会の後、一人では気持ちの整理がつかず勢いでわか子宅に来てしまったが、旦那も子供もいる家に夜転がり込むのは申し訳なかったかな、と今更ながらに思う。
「今日旦那遅いからゆっくりしてってよ。ご飯も食べてくでしょ?」
「うん。ごめんね、ありがとう」
その時、玄関のドアが開く音がした。小さな足音が近づいてくる。
廊下から姿を見せたのは、わか子の息子、西銘名生。まだ幼いながらも両親のいいとこどりをした顔立ち、将来はさぞかしイケメンに育つことだろう。
目が合ったので挨拶をすると、
「……こんばんは」
「名生、夕飯そっちに置いてあるから」
「うん、わかってる」
挨拶は返してくれたものの早々に逃げられてしまった。
「今の名生くん? 大きくなったねー」
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