おれはどんな顔をして物事を判断しているのか

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 だれもおれの声をきいてはくれない。  それでも、お前はまた奇跡を起こすのかもしれないな。  それでも。  それでもおれは、自分の真面目な意見が、今度こそ世界を救い、正しかったと証明したい。 「わかった。こうしよう」  みんなが白い目で振り返った。  おれはドラゴンに打ち勝つために自分が選ぶ道をいく。 「おれは4日かけてバズーカ砲を買いに戻る。おれが戻るまで持ちこたえてくれ」  そのときの冷めきった奴らの顔はいまでも記憶の隅に貼り付いている。あぁ、わかったよ、お姉さんは見捨てるんですね。でもバズーカ砲は必要になるかもだからそれはそれで頼むとするか。  そんな顔だ。 「そのときにはネッケの兄貴がドラゴンの首かっ切ってるけどよ~」  チャラン、お前はどうなってもいい。  おれはなにも言わずにドラゴンの谷を下った。振り返ることはしなかった。 ※ ※ ※ 「こちらです」  遠い町の山奥にある療養所。  世界が救われてから2年の月日が流れていた。 「あの、患者様とはどういったご関係ですか」  看護師が尋ねる。親族なら引き取って欲しい。そういうことなんだろう。 「知り合いかどうかを確かめに来ました」  そう答えると看護師は残念そうに頷いた。 「お知り合いだといいですね」     
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