おれはどんな顔をして物事を判断しているのか

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「……ヒローイン。君が生き延びていたなんて」  かつての英雄は右足と右腕をなくしていた。 「ネ、ネッケ」  50年も老けたように見える赤髪のネッケ。髪だけはいまでも燃えるように逆立って……。 「信じられない。なんて日だ」  感動が抑えられないのか涙するネッケ。  おれは椅子をさしだした。ありがとうと言ってネッケはゆっくり腰をおろした。  幽霊といわれてもおかしくないし、驚かない。しかし、左の足は存在しているネッケだ。 「ここまで回復するのに2年かかった。やっと、行方不明になっていた仲間を探す旅にでたんだ」 「よく生きてたな」 「ドラゴンに飲まれていたんだぜ。死んだと思ったよ」  弱点である眉間に、最後の力を振り縛っての一刺し。そのまま飲まれたという。手足はそのとき噛みちぎられたと。 「そのあとすぐショージィが戻ってきてくれたからな。吹っ飛んだ頭の下から這い出せた。まだ胃の中に落ちてなかったから」  なんで助けを待たずにその場から立ち去った。というのはこの男には無用な質問。そういう男だ。 「噂は聞いたよ。はじめてだよな、おまえが英雄になったのは。しかもはじめてで世界を救ったんだものな。どうりでいい服着ているわけだ」     
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