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閉じ込められた部屋の中は、意外にも綺麗だった。
廃墟同然のような古城で、外装を見る限り廃れていると思っていたタケルだったが、これは十分に住めるレベルにあった。
白壁のこじんまりした広さで、中世のアンティークな机、本棚、ベッドが並べられ、まるで書斎のような部屋だった。
しかもこの部屋にはバルコニーがついていて、外に出ると目の前に湖が広がっている。
そしてこの部屋が高台の崖上に建てられた城の一室だということがすぐにわかる。
つまり、逃げだしようのない場所だということだ。
高支那はそれを知っていてこの部屋にタケルを幽閉したのだろう。
タケルは部屋をグルリと見回し、とりあえずベッドに腰を下ろした。
この部屋はトイレもバスルームも完備されていて、ベッドもちゃんと寝れるように整えられていた。
まるでホテルの一室だ。この部屋だけでも十分生活出来るだろう。
高支那が何もかも準備したのだろうか――?
そんな考えが頭を巡った時、不意に靴音がし、タケルは反射的に身構えた。
高支那か――!?
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