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タケルは疲れからか、あれから深い眠りに落ち、朝まで起きることはなかった。
高支那の言った「あの男は来ない」という言葉に安心したのかもしれない。なんだか久しぶりにゆっくり休めたような気がした。
だが、疑問が解決したわけではない。
あの謎の男の正体と高支那の関係がわからない限り、本当の安らぎは来ない。
高支那はなぜ昨日、あの男が来ないと言い切ったのか――
それ以前に、「謎の男と高支那が同一人物」発言の真意も気になる。
考えれば考えるほど謎は深まるばかりだった。
タケルはベッドから起き上がると、何気に扉へと手を掛けた。
もちろん、鍵が掛かっているので開くはずはないのだが――
そう思い込んでいたタケルだったが、扉にはなぜか鍵が掛かっていなかった。
そのことにびっくりする。
なぜ鍵が掛かっていないのか――?
タケルはソッと扉を開けてみた。
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