言いたかった、言えなかった

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甘い香りを封じ込めるように扉を閉じる。 「ずっと前から好きだった」 「きっと生まれた時からかもしれない」 相手が貴方じゃなければ良かったのに。 女としての才能がないのかしら、代わりを見付けられないの。 彼を愛して、32度目の冬が近付く。 彼と離れて、11度目の秋が去る。 焦げ付く香りが鼻を掠めた。
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