〇喫茶・カササギ

6/11

1人が本棚に入れています
本棚に追加
/79ページ
俺たち4人は、父親同士が幼馴染だったこともあり、同級生の元太とひかりはもちろん、3つ下の隆也も小さい頃からずっと一緒に育ってきた。 元太は昔からお調子者で学校1のムードメーカー。 ひかりはしっかりもので竹を割ったような性格。 隆也は穏やかで聡明だが、今日のような予想外の出来事にめっぽう弱い。 3人のことなら何でも知っている。 きっと3人も俺のことなら何でも知っている。 そして俺たちは“天川町”のある秘密の共有者でもある。 「ご注文はお決まりですか?」 雅美さんにそう声をかけると、彼女は俺の目を見つめ 「ミルキーウェイソーダを2つ」 と答えた。 その言葉と共に、一瞬店がしーんと静まり返った。 「雅美さん、何言ってるの?」 声を漏らした元太の肩を、ひかりがとがめるように叩き、元太は口をつぐんだ。
/79ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加