1人が本棚に入れています
本棚に追加
「悪い。元太、ナポリタン後でもいいか?」
親父がそう言うと
「当たり前だよ!」
と元太は声を張った。
その声にふっと笑った親父は
「物分かりが良くなって……お前たちも大人になっていくんだな」
とつぶやいた。
少しの沈黙の後
「手伝うよ」
とカウンターの中に入った俺に親父は
「冷蔵庫から寒天のゼリー出して」
と指示を出した。
これを作るのは何回目だろう。
グラスに注がれる真っ青なソーダとその上に乗ったバニラ味のアイス、そしてミント。
この光景を何度見ても慣れることはない。
緊張で震える手を必死で落ち着かせて、父が作った真っ青なクリームソーダの上に、黄色と赤の星型の寒天ゼリーをそれぞれ乗せた。
最初のコメントを投稿しよう!