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五人全てが、親の居ない子供達。
夜毎、否応なく現れる滅びの先触れに畏れを抱き、自らは死を選びながらも我が子の命を奪う選択を取れなかった大人の遺した遺産。
それとも命の選択を、機械に託したのだと理解すれば良いのだろうか。
「そう言えば、今夜はふたご座流星群が極大だってニュースで流れていましたね」
口の中の物を飲み込んでから訊ねる少女、青野翼の視線は緑にではなく壁に飾られた星座に向けられている。
冬の星座と呼ばれる星々を繋いだ天体写真へ。
しばし彷徨った視線は直ぐに目的の星座を見付けて留まる。
続いて北の空全体が写し取られ、天の北極を中心とした円盤状の絵へ目を向けた。
その中からも目的の星座を探し出す。
「ふたご座って、誕生日の十二星座の一つだって知っていましたけど、何処に在るか知らなかったです。オリオンと北斗七星の間に在るんですね」
余り星に詳しくない者でも、簡単に見付けられるオリオンの二つの台形が上下逆さまに繋がった姿は日本ではつづみ星とも呼ばれる形。
もう一つ簡単に見付けられるのは、おおぐま座を形作る中でも有名な北斗七星。
柄杓星と呼ばれる七つの星は一度見付けてしまえば忘れ難いだろう。
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