序章

1/1
前へ
/243ページ
次へ

序章

 僕は不思議な能力を持っている。  人呼んで『人間GPS』。  下手なカーナビゲーションシステムより精度は上だと思うけど、今時のスマホがあれば要らないかも知れない。  まぁその程度の能力だ。  でも、日常ではあまり役に立たないかも知れないけれど、そうじゃない時だってきっとある。  今だって僕は、自分がどこに向かっているのか感覚的に()る事が出来る。  だから地図さえあれば、どこに行っても迷う事はない。  だから彼女がいれば、どこに行っても迷ったりしない。    たぶん──  ──きっと。
/243ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加