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「中なんだろうな」 「知らね。重さは?」 「ん」とバックを相方の方に片手で突き出す。それを見た央雅はスウェットのポケットから片手を出し、受け取る。 軽いだろうとは思っていたが、思っていた以上に軽かった。 破裂しそうなほど膨らんでいる見た目と重量が釣り合っていない。 「……綿か?」 央雅は試しに少し上に放り投げて見る。 物がこすれあうような音は一切しない。 「ぬいぐるみ? となると、ありきたりなのは……ヤク?」 「まぁガキに運ばせるのは珍しくねェ」 「でも運ぶのなら預けるのはおかしいだろ。時間のロスでしかない」 「……」 央雅は首をひねりながらバックを涼雅に突き返した。 受け取ったそのバッグを呆然と見下ろす。 預かるのは3日間のみ。4日目以降、この荷物は必要なくなるということなのか。それとも4日目以降は受け取りに来られないということなのか。 それ以上彼女のこともバックのことも推測するのをやめた。 彼女の正体や身分も、バッグの中身もその使い道も、知らずとも仕事はこなせる。 とりあえず。 「『荷物』がある以上飯は家だな」 「お前が作れよ」 「いいけど。皿はお前が洗えよ?」 央雅は面倒臭そうに舌打ちしたが、ローテーブルに置かれている二つの皿を重ね、片手をポケットに突っ込んだまま気だるそうにキッチンに引っ込んだ。
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