1人が本棚に入れています
本棚に追加
目が覚めると、知らない天井。
木目なんかどこにもなくて、白塗りの無機質な塗装が茉莉の目を覚ます。
「おはよう。」
あたたかな声がした。
それは、天井からではない。
茉莉が寝ているベッドの左側からだ。
声のする方に目を向けると、優しい笑顔が茉莉を見つめていた。
「・・・おはよう。おデブさん。」
「え・・・、俺、そんなに太ったかな・・・?」
「最初に合ったときよりは、ね。」
春樹は不安そうにお腹の肉をつまんでいる。
それを見て、茉莉は口元に手を当てクスリと笑った。
ねえ、おデブさん。
君にはとっても申し訳ないのだけれど
君がいなくなった今日からの生活に
私は心の底からワクワクしているんだ。
春樹と過ごす、二人きりの生活に。
最初のコメントを投稿しよう!