夢でしか会えないあなた

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「どうして君は詳しい事を話してくれないんだ?そりゃあオレたちは今日この場所で出会ったばかりだし、歳だって二周りくらいは離れているだろうし、性別も違う。だけど、オレは君とのこの短い時間をとても楽しいく過ごせていると思っているし、君だってまんざらでも無いのだろう?だからこのどこか縮まらない距離感がとてももどかしいんだ。」男の話を聞く彼女は先程からの照れに近い表情から、悲しみをおびた表情へと変貌していたのだった。そして男は確信をついた。 「君はオレの事を知っているね?確かにオレはここ数ヶ月色々と辛い思いをしてきている。だが、その事を知っている者はオレを含めてこの世に二人だけだ。もちろんもう一人は君では無い。何故ならオレはこの一年一歩たりとも家から出ていないし、その間会った人物は前妻だけだからだ。」彼女はうつむき加減で首を縦に振った。そして男はさらに続けた。 「君は誰だ?一体何が目的なんだ?そして何よりどうやってオレを夢の中へと連れ込んだんだ?」 「それは違うは。私があなたを夢の中に連れてきたんじゃなくて、私があなたの夢へ会いにきたの。」 「じゃあ、やっぱり君は夢の中だけの人と言う事だ。これはオレの夢、君はオレの想像に過ぎないということだ。」     
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