夢でしか会えないあなた

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夢でしか会えないあなた

マタ “オレはこの夢が正夢になると思った。願望とか希望的妄想とかではなくて、そう確信したのだった。確かな根拠や保証なんてあるはずも無いし、何故そんな思考に陥ったのか、どうしてこんな思想が湧いてきたのか、自分自身全くわからなかった。今自分が現実世界で置かれている状況を考えればとても希望など持てないというのに…” もとより男自身は淡い希望や夢を持つ事が無いタイプで、基本的にマイナス思考な人物であった。そんな男が夢の中の話を真に受けるという事は異例中の異例なのだった。とは言え、男はそのミッシーが好きか嫌いかといえば断然好きだった。男のタイプの顔立ちをしていて、涼やかで明るい雰囲気をまとっていて、いかにも誠実な性格がにじみ出ているのだ。そしてなによりも男はそのミッシーを愛してしまっていたのだった。     
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