兄さんと僕

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一様に降る雨のなか、俺の目の前には、俺という存在を否定されているかのような怯えた目で見つめる小さな子供がごみ溜めのなかでうずくまっていた。その子供は見たところ熱があるらしい。放っておけまいとして近づくと、とても警戒した様子で俺を近づかせまいとしていた。雨のなか震え、その上熱もある故に、俺のなかの情が渦巻いているのがわかる。警戒されているが放っておけないという気持ちが高まり、少し無謀かと思ったが無理にでも近づくと、突然俺の腕のなかに倒れ込んできた。熱が高い。この小さな体で何日の間この熱に耐えてきたかと思うと胸が痛む。とにかくこの子供を自宅に連れて帰ることにした。 「ハアハアハアハアハアハアハアハアハア」 「…しんどいな…がんばれよ…!」 「うう……ハアハアハアハアハア……」 「……。」 俺のかけた言葉に反応したのか、少しだけ目が開いた。目の焦点が合っていない。よほど熱が高いのだろう。やはり家に保護して正解だったと思う。 しばらくして容態がだいぶ安定してきた。明日には治るといいなと思いながらも、俺もその子供の近くで布団を敷いて寝ることにした。
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