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出会い③
2日後、あの時と同じようにまた大雨が降った。それに次いで今度は雷もだ。あの子は今どうしているのだろうかと考えながらも仕事の帰りで疲れはてた体にむち打ちながらも俺は家に向かって帰っていた。
「おい、そこで何してる?」
「え…」
戸惑いながら上げたその顔は雨と涙でぐちゃぐちゃだった。
「久しぶりだな。てかそこで何してるんだ?帰らないのか?また風邪引くぞ?」
言い終えた瞬間、雷が落ちた。
それと同時に叫び声が聞こえた。
「ひゃっ…!」
見るとその子は音に怯え、ガタガタと震えていた。
「…もしかしてお前、家がないのか?」
そして、不安げな表情で見つめられた。
「はぁ…もし帰る家がないのなら、俺のところへくるか?」
「えっ…!」
「いや、いやならいいんだ。」
その時、服のそでをギュッとつかまれ、目を潤わせながら懇願してきた。
「お、おねがいします…置いて…下さい…」
「あ、ああ…」
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