出会い④

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出会い④

つい成り行きで家に来るかと言ってしまったが、これから先どうすればいいのだろう?過去に何があったのか、今までどうやって生活していたのか、子供が1人消えて警察沙汰にはならなかったのか、学校はどうしていたのか、そしてこれからどうするのか。聞きたいことは山々だか、今は止めておこう。興味本位で聞いてしまっては傷つくかもしれない。 「おーい、先に風呂に入ってきなさい。それからご飯にしよう。」 「あ、はい。」 かといって、何から話をすればいいのかも分からず、時間はすぎていく。食事をしながらでも聞いてみようと思った。 「うまいか?」 「はい…久しぶりに食べました。」 「…いったい何日あそこにいたんだ?」 「わ、分かりません。」 「そっか…。ご両親はどうしたんだ?酷なことかもしれないが 、答えてくれないか?」 「…親は…いません…でも、施設から引き取ってくれた方はいました。」 「その人は何処にいるかわかるか?」 「…わかりません…気がついたらあそこで寝てましたから…」 「じゃあ、捨てられたってことか…?」 気がついた時にはもう遅かった。その子の顔にはすてに、涙が頬を伝って流れていた。 「わ、悪かった…無神経なこと言って…」 「あ、いいえ…そんな…こと…」 「……。」 そう言った後、涙が溢れんばかりに流れていた。俺は無意識にその子に寄り添い抱きしめていた。 「本当に悪かった…辛かったんだよな…思い出させて悪かった…もう泣くな…」 「ぅぅぅ…ぐすっ…ひっく…」 「よしよし、大丈夫…」」 そしてそのままその子を抱きかかえ、布団に入った。安心したのか、吸い込まれるようにして眠っていった。
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