出会い⑥ 陸side

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出会い⑥ 陸side

僕は、雨の中拾ってもらったあの日からずっとここにすんでいる。帰ろうとは思わない。だって、帰る場所がないから。そんな僕に優しくしてくれたのが霞さんだった。だから、もう前のような思いはしなくてすむんだとほっとした幸せの毎日だった。でも僕はそんな毎日が怖くなるときがある。以前いた家と同じように、また捨てられるのかという不安のなかで生きてきた。せめて捨てられないように努力することしかできなかった。
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