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は?
「その艶のある黒髪も真っ黒でキラキラした目も。綺麗だなぁって思ってたよ。だけど、喋ってみると印象変わった」
「変わった…?」
「俺の一言一言に反応してくるくる変わる表情とかノート落としたことに気づかないおっちょこちょいな所とか。可愛いって思う」
か、可愛いって…。
顔に全体温が集中する。
「…それ、男にいうセリフじゃないだろ」
「ふふふ。あの電車で閃に話しかけたいって思ってる人は俺も含めて結構いたと思う。綺麗な閃しか知らないその人たちを差し置いて、俺だけが知ってるギャップだと思うと軽く優越感を覚えるほどには本気だよ」
楽しそうににっこり笑って、ポテトを口に放り込む。
「あー…んー。。。寛哉。音というか、運命の相手って言葉に感化されてってないか?」
じゃなきゃ、男に可愛いなんて言葉出てこないだろ。
「さぁね。でも、ずっと話してみたかったのは本当。だから、閃がノート落としたことに気づかないのを見て話しかけるチャンスだと思ったよ」
ひょいっと長めのポテトを取ると、今度はオレの口にポイッと入れる。
「話しかけてよかった。運命云々はさておき、閃と一緒にいるのも話をするのも楽しい」
そう言って、春風のような笑顔を向ける。
うわぁ。。。やっぱり破壊力抜群。
ていうか…こいつ絶対たらしだ。。。
自分がその顔をすれば相手がどう思うか計算してやってる。
「あー…」
コホンと空気を変えるように咳をすると、
「オレもお前と話したりするの楽しいよ。だから、完全拒否されなくてホッとした。これからも話したりとか…してもいい?」
「もちろん!むしろ願ったり叶ったりだよ」
にっこりと笑って手を差し伸べられる。
「とりあえず…友達から」
カシャン──。
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