相手

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バン!!!! ドカドカドカドカドカ!!! バタン!!!! 玄関を開け、階段を駆け上り、自室のドアを締める。 はぁ、はぁ、はぁ…と肩を揺らしながら荒い息をつく。 ゴクリと息を飲み込み、右手を見つめる。 何の変哲もないただの手。 コンコン。 「閃?」 ガチャと音を立てて、ドアが開くとそこには心配した顔の両親と祖父母がいた。 「どうしたの?帰ってくるなり挨拶もしないで?」 「誰かにいじめられたのか?」 「変質者にあったのか?」 矢継ぎ早に質問が飛び交うが、首を横に振る。 「なら、どうしたの?」 「音が…」 「え?」 ガバッと母の肩を掴むと、 「音が聞こえた!!!カシャンって!!!電車の中で!!!手が触れた瞬間に!!!」 手錠みたいな!!!
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