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相手のことは知っていた。
いや、顔だけは知っていた。
高校も違うし、たまたまいつも同じ車両に乗るだけ。
ただ、それだけ。
それなのに何故知っているかというと…。
めっちゃくちゃ背が高い。
178のオレでも見上げるほど。
185~190の間…ぐらい。
周りより頭ひとつ分もふたつ分も高い上に、顔はイケメン。
○ャニーズ系とか、ワイルド系では無く。
清潔感のある爽やか系。
友達と和やかに話す姿は極寒の冬でもそこだけ春風が吹くようだった。
しかも、そのイケメンが近辺では一番という進学校に通っているのだ。
車両で一番注目を集めていると言っても過言ではない。
とにかく目立つ…それがオレの運命の相手(仮)なのだった。
オレの話を聞き終え、母と父は顔を見合わせると。
「閃に音が聞こえたという事は相手の子にも聞こえてるはずよね…なにか反応があった?」
うん???
「あぁ。。。そういえば、びっくりした顔してた」
んー???だけど。
「なんで、あいつオレの手を掴めたんだ?いつもはもっと、離れた場所にいるのに」
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