魔術師の企み

キンモクセイ

シンは目にもとまらぬ早さでその男の腕を跳ね上げた。

殴りかかったはずが逆に拳をもらい、男は鼻骨を折って顔面をへこませる。
倒れることも許されず胸ぐらを引き寄せられれば、男はシンの動きの目隠しとされ、シンは次の敵に全身で突っ込むようなラリアットをかます。

ビール瓶を掴んで脇から殴りかかってきたのには、手刀で手首に近い前腕を押してやり、肘が曲がって逆に自分の顔面で瓶を割るハメになる。

椅子を振りかぶって襲いかかってきたのは、無造作に足を払ってひっくり返した。
男は床にしたたかに後頭部を打って昏倒する。

戦闘が始まって僅か７秒。
４人の男を片付けるのに、シンは１０秒もかけなかった。