キンモクセイ

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シンはさも面倒くさいといった風に、 「お前がやっているペットショップのことだ」 切り出した。 「店で面白いものを売っているそうだな」 河内はさっと顔色を変える。 ペットショップといっても、河内がやっていたのは犬の引き取り屋。 ペットショップで売れ残った犬や繁殖能力が衰えた繁殖犬を引き取る商売で、手数料をもらって動物を引き取っている。 改正動物愛護法の施行からこっち、何もしなくても定期的な収入が見込める商売だった。 引き取った犬猫は表向きは死ぬまで河内が世話をし飼うことになっているが、たまに買いたいという物好きが現れれば、市場よりずいぶん安い値段で売り払う。 動物がその後どう扱われるかなんて知ったことではない。 もともと売れ残っていた犬猫たちだ。 実験や虐待、好ましからぬ目的で動物を求める者たちのために、河内が開いた店が『F-pet』。 Friend-petの頭文字かと問われれば、違う。 ネットに載せている店の写真には、小動物と一緒に戯れる女子高生たちが映っている。 『Female-pet(女性のペット)』 そう、河内は犬猫だけでなく、女子高生たちも売っていたのだ。
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