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課長は私に別のカクテルを頼んだ後に
素っ気なく
「あんなやつやめれば?」
と言った。
「え?」
「大事にされてないんじゃない?」
そう続け、白ワインの入ったグラスを口にした。
顔は昔から全然似てないな、と
目の前の課長を見て思った。
課長は私たちの二つ年上で、
ほぼ話したことはなかったけれど
高校の時の陸上部の先輩でもあった。
陸上部ではエースで、
それはもうオモテになっていた。
短距離選手特有の綺麗な筋肉のついた体、
そして何と言っても整ったクールな顔で、
女子のファンがいつも囲っていた。
俊哉は俊哉で
課長とは真逆のアイドル系の甘い顔立ちだったが、
課長に負けず劣らず学校ではモテていた。
身長は同じくらい高かったが、
スポーツはしていなく、細身だった。
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