第1章:新しい上司

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課長と俊哉の顔の共通点を探していたら ワイングラスから目を外した課長と 目があった。 「似てないって思った?」 「あ、はい。」 「俺ら似てるの声だけだからな。」 「確かに、声は結構似てますね。」 「後は、手とか、かな。」 そう言うと課長は手を差し出した。 ピアニストのような長細い指や 丸まった爪の形が似ている。 ふと親近感が湧いて 触れそうになってしまう。 「いいよ」 「え?」 「触っても別に」 「あ、いえ。」 見透かされたのかと思い、ドキっとした。
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