第3章:可哀想な女

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デザートのアイスクリームを食べながら反省会。 「なんかうまくできなくてすみませんでした。」 「お前は何も悪くない。 あんなセクハラオヤジが働く会社こっちから願い下げだ。」 前の上司は全然守ってくれなかったから、 嬉しかった。 「里田は平気?」 「あ、はい。」 そう言って、隣に座る課長は 私の頭を優しく撫でた。 「あ、ごめん。これもセクハラ・・・か。」 「・・・いえ。」 さっきのとなんて全然違う。 頭を撫でられることが  こんなに気持ちよくて 安心できるものなんて知らなかった。 食べているバニラアイスよりも 甘くて甘くて、 体全体の熱が上がり、 とろけそう。
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