第4章:ずるい男

8/8
前へ
/498ページ
次へ
「入れてもいい?」 と聞くと 小さく頷いた。 俺は細くて簡単に折れてしまいそうな体を 優しく、ゆっくり、丁寧に抱いた。 途中里田の顔を覗くと カーテンから漏れる街灯の光で 閉じた目の下に涙の跡が見えた。 あいつへの罪悪感だろうか? 好きでもない男に抱かれている喪失感だろうか? 癒してあげたい、 幸せにしてあげたいのに 俺は結局自分の欲望に任せ彼女を抱いていて、 ただの自分勝手なやつなのかもしれない。
/498ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4560人が本棚に入れています
本棚に追加