好きと言ったら終わってしまう【コミカライズ】

第１章：新しい上司

『今日ね、
なんと正紀さんが、出向して来て
うちの課の課長になったの。
びっくりだよ。』

普段から返事が遅い
彼氏の俊哉(としや)から上のラインの返事が来たのは
課長が就任した１週間後の金曜日だった。

『そうなんだ。兄貴によろしく言っとくよ。』

『今夜の約束大丈夫？』

『ごめん、仕事がめちゃ忙しくて、会えなさそう。』

私、里田千夏(さとだちなつ)と松岡俊哉は高校の時の同級生で、
高校１年の時から付き合っている。

二人とも２８歳になり、もう付き合いは１２年だが、
社会人になってからは月１回会えたらいい方だ。
なんとなく別れる理由もないので
ズルズルとこの関係を続けている。

結婚の話は一度も向こうから出たことがないが
もう結婚適齢期だし
そろそろ・・・かな、なんて思っているが、
今日も、また向こうの都合でドタキャンだ・・・。