第1章:新しい上司

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せっかく数週間ぶりに 定時で帰れることになったのになー。 憂鬱(ゆううつ)な気分でオフィスを出て 2畳ほどの広さのエレベーターに乗った。 私以外乗っていないエレベーターは 一旦閉まりかけ、突然また開いたと思ったら 目の前には課長が立っていた。 課長は 私と目が合うと、 黙ってエレベーターに乗った。 二人きりのエレベーター。 怒られまくった後だから気まずい。 「里田・・・」 低すぎない はっきりとした声が エレベーターの中で響いた。 「はい」 「飲み行く?」 「え?」 「強制じゃないけど」 「あ・・・はい。」 これから説教か・・・と思い、 あまり乗り気にはなれなかったけど、 断ったら後で面倒くさいことになるかもしれない。 どうせ俊哉との予定も無くなったしな・・・。
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