第4章:ずるい男

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シャワーを浴びに行く前に 「これ、俊哉のなんですけど・・・」 と里田から手渡されたTシャツとスエットパンツには 若干困ったが、 そうだ、俺はあいつの身代わりなんだ、 と同時に我に返った。 可愛らしいシャンプーやらバスアイテムが揃った風呂場で ちょうど良い温度のシャワーを浴びた。 背丈もあまり変わらない俊哉の部屋着は ジャストフィットで、 なんとなく複雑な気持ちだった。 里田のシャワーを浴び終えるのを待っている間 リビングルームのソファーに腰をかけた。 ローテーブルには 里田がわざわざ用意してくれた ビールと水とおつまみが置いてあった。 部屋を見渡すと俊哉との写真が  何枚も写真たてに飾ってあった。 高校時代や数年前のものだった。 あいつも この部屋に入ったことあるんだよなぁ。 そう思うと、 早く俺のものにしたくて、 より里田を抱きたくなった。
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