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目覚ましのけたたましい音に、沙羅は薄目を開けた。
時刻はいつものぎりぎりの時刻。つまり、もう眠れない。
「うー」
目をこすり、目覚まし時計を止める。
「はあ……」
月曜日は本当につらい。体がだるくてテンションが上がらない。
それに、今日は学校でミニテストがある。学校一めんどうくさいといわれている古林先生の授業だ。
「行きたくないな」
ひとり言をつぶやきながら部屋を出る。
両親はもう仕事に出て行った時間のため、自分で適当にパンを焼いて、もそもそと食べる。テレビをつけるだけのやる気もない。そのまま重い体に鞭うって、服を着替える。
「あーあ、このまま休みたいなあ。それでずっとLINEやっていたい。それか一生寝ていたい」
かすかな期待を込めて学校の休講情報を確認するが、残念ながら予想通りの結果。
「うー、学校に巨大隕石が落ちて来て、敷地ごと……いや、そしたらもっとめんどくさいことになるよね」
胸の中でさまざまな悪あがきをした末、沙羅はようやくあきらめた。
テストが終わったら、学食でおいしいものをたくさん食べてやる。ささやかな楽しみを糧にして外へ出る。出た早々、秋の冷たい風が彼女を襲った。
「さむ!」
沙羅は体を縮める。
「やっと学校に向けて踏み出したのになんて天気よ」
ぶつぶつと文句を言いつつ歩いていると、ふと沙羅は思った
「あ、そういえば今日の天気はどうだったっけ」
テレビを見てないから、天気がどうなるかわからない。
彼女は何気なく空を見上げ、
「……はあ?」
絶句した。
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