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「……嬉しい……!」
美砂は、倒れるように須藤の腕の中に滑りこんだ。
奏汰には常に受け身であったため、自分から、男性にそのような行動を取ったことはなかった。
それだけ、須藤にはそうしたいと思え、そうしたことで心地良さを感じているようにさえ思えた。
須藤も、もう一度、美砂を抱きしめた。
「もう少し、このままでいてもいい?」
美砂が笑って、頷いた。
「私も、そう思っていたところです」
須藤は、その幸せな状況を噛み締めるように、一層強く、彼女を抱きしめた。
「いつもそばにいてくれて……ありがとう」
須藤の腕の中で、美砂が、掠れた声で告げた。
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