第一章 お人好しの少隊長

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第一章 お人好しの少隊長

ブォォォォォォォォォォォォォォォー……。 港に、船が到着した。しかし、普通の船ではなく所々が黒く錆びている。 ゼブラヘッド島……。その島は様々な犯罪がはびこり、他国、他の島のなかでも選りすぐりのならず者だらけな島である。 しかし、そこで犯罪を起こそうなどと思うものはいない。その島の廃ビルの屋上に船の到着を見守る少年が一人。 「はぁぁぁ。また、新しいやつらが運ばれてきたな。まぁ、ここに就任してからはいつものことだけど。」少年は廃墟となったビルの屋上から飛び降り着地。 「そろそろ署に戻るとしよう!」と着地した瞬間、目にも止まらぬ速さで走り出した。 特殊捜査課第零警察署 ここは特務捜査課の中でも選りすぐりの精鋭が集まるが個性が強すぎるあまりに追い出されたものたちが集まることで有名な警察署だ。少年はこの署の署長兼特務捜査課特殊戦闘工作部隊総隊長である。 名を龍神王(たつがみおう)タクミという。タクミはかつて、この世界で最も最強にして最凶といわしめる龍神族の唯一の生き残りにしてその長でもある。タクミは署に戻り、事務室の扉を開けると…… 「タクミちゅぅわぁぁん??お帰りのちゅぅぅ!」 とおちょぼ口で飛んできた女性はそのまま口づけし、その時間はやたら長く艶かしく音をたてた。
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