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4.時間よ、止まれ。永遠のアイドル
家族のために捨てた小野ノイのアバター。
俺にはわかった。あれは模倣したアバターなどではなく、間違いなく小野ノイのオリジナルアバターそのものだ。
自宅に帰って確認すると、物置から持ち出された昔のパソコンが息子の部屋に置いてあった。
あのパソコンは、俺が小野ノイとしてアイドル活動に使っていたものだ。
「父親が封印した伝説のアイテムを息子が引き継ぐのか。少年マンガみたいな熱い展開じゃないか」
俺は笑いがこみ上げてきた。
息子よ、俺のところまで駆け上ってこい。お前とお前の友達のユニットから、俺(小野ノイ)にも追いつけるはずだ。
その時は、真の小野ノイをかけて雌雄を決しようじゃないか。
アバターは歳をとらない。
リアルでは腹の出てきたおじさんの俺でもまた、もう一度小野ノイになれるのだ。
永遠のアイドルに……。
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