PRESENT

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「かしこまりました。じゃあ桜井、視力検査するから、こちらにどうぞ」  綾樹が楠田にあれこれ指示し、楠田も「はいはい」と笑いながら準備を始める。 「楠田君、視力検査は必要ないですよ。今の眼鏡を基準にして度を測ってもらえれば……」 「いやだめだ」  言い終わらないうちに却下したのは綾樹だ。  頑として首を横に振る。 「ちゃんと今の桜井に合うものを作ってもらいなさい。楠田、頼むぞ」 「はいはい、じゃ桜井。ここ座って」  楠田はにこにこ笑いながら、桜井を検査台に案内する。 「ああ緊張するなぁ。新城副社長直々のオーダーだもん。手が震えちまう」 「お気持ちわかりますよ楠田君、副社長は社内でも鬼より怖いと言われています。副社長が廊下を通ると、社員たちが両端に分かれて、まるで極道映画を見ているようです。その視線に捕らえられたら、石になるとも言われています」 「さすが副社長だな。どこでもだいたいナンバー2って恐いんだよな」  軽口叩きながら検査をする二人をぎろりと睨み、その極道の鬼は左手で頬杖を突いて、ぶすりと呟いた。 「副社長はやめろ、綾樹と呼べ、ふたりとも」
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