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「てか、さっきの数学のテストできた? 俺、全然できなかったんだけど・・・」
そう溜め息混じりに言った執行に野々宮さんは透かさず『私も!』と相槌を打って苦い笑みを満面に浮かべ、俺の机に行儀悪く座った執行にキラキラした視線を投げ掛け、見つめ見ていた。
そんな野々宮さんを俺は面白いと思ったし、そんな野々宮さんに必死の賛同を表す女子生徒たちはもっと面白かった。
どうやら野々宮さんは早くも女子カーストの上位にいるらしい。
「出会は? できた?」
執行のその問いに俺はゆるゆると首を横に振っていた。
「ん~? その反応はマジでできなかった感じ?」
「うん。本当にできなかった。元々、数学は得意じゃないんだ。けど、あの問題は・・・ちょっと・・・」
俺は出題された問題を思い出して堪らず苦い笑みを滲ませていた。
あんな問題を新入生テストに出すなんて反則だ。
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