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その日のお楽しみでもある夕飯は18時丁度に部屋に運ばれて来てその運ばれて来る数々の料理に俺と出会は目を奪われていた。
今回、予約を取った部屋は部屋で食事を摂るかレストランで摂るかを選べた。
俺は迷わず部屋での食事を選んだ。
大勢の人が居る場所は落ち着かないし、もしも・・・と、言うことを心配した。
その『もしも・・・』とは俺たち二人を知る誰かに見られること・・・。
ないとは思うが用心しておくことに越したことはない。
大浴場の湯には浸かったのに・・・だ。
「スッゴい豪華ですね! どれも美味しそう!」
そう言ってはしゃぐ出会に仲居さんは『お口に合いますように』と言って微笑み、それに出会は愛想よく微笑み返していて俺よりも少し年上そうなその仲居さんの心を射止めたようだった。
そうだ・・・。
出会はそう言うやつだ。
天然の人たらしとでも言うのだろうかその性格や振る舞い、笑みが気に入らない。
どうして誰も彼にもそうなのか・・・。
どうしてそれが俺だけに・・・。
「翔さん?」
出会のその呼び掛けに俺はハッと顔を上げ、目を丸くしていた。
俺は今、何を思っていた?
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